はじめてのSplunk ― 概要から応用までを体系的に学ぶ

3-5 レポートとダッシュボード

1. サーチを保存して再利用する

同じサーチを繰り返し実行したい場合、毎回入力し直す必要はありません。 Splunkでは、実行したサーチを保存して再利用できます。 サーチ結果画面の右上にある「Save As(名前を付けて保存)」メニューから、 用途に応じた保存先を選びます。

SPL ― 保存対象にするサーチの例
index=web status>=500 | timechart span=1h count by host

このような「よく使う集計サーチ」を保存しておけば、 次回からはクリック一つで同じ集計を呼び出せるようになります。

Save Asには、Report(レポート)、Dashboard Panel(ダッシュボードパネル)、 Alert(アラート)、Event Typeなどの選択肢があります。本節ではレポートとダッシュボードを扱います。

2. レポートとして保存する

レポートは、名前を付けて保存した「サーチそのもの」です。 「Save As > Report」を選び、タイトルや説明を入力すると、 あとからReportsメニューの一覧から呼び出して再実行できます。

statstimechartで集計したサーチを保存する際は、 表・折れ線・棒グラフといった可視化の種類もあわせて記憶させられます。 レポートを開けば、保存したときと同じグラフがそのまま再現されます。

保存されるもの 内容
サーチ文(SPL) 実行するSPLそのもの
時間範囲 既定で対象とする期間
可視化設定 表・グラフの種類や見た目

3. ダッシュボードパネルとして保存する

ダッシュボードは、複数のグラフや表(=パネル)を1枚の画面に並べたものです。 「Save As > Dashboard Panel」を選ぶと、 今のサーチを1つのパネルとして、新規または既存のダッシュボードに追加できます。

たとえば「ステータス別アクセス数の推移」「エラー上位ホスト」「合計転送量」など、 関連するサーチをいくつも1枚にまとめると、システム全体の状態を1画面で確認できる 監視画面になります。 レポートは「1つのサーチ」、ダッシュボードは「複数パネルの集合」です。

ダッシュボードの本格的な作り方(パネルの追加、レイアウト、ドリルダウンなど)は 第4章「可視化とダッシュボードの基礎」で詳しく解説します。 ここでは「サーチはダッシュボードの部品になる」という関係だけ押さえておけば十分です。

4. 共有と権限の基礎

保存したレポートやダッシュボードには権限(Permissions)が設定されています。 作った直後は「Private(自分だけ)」になっていることが多く、 そのままでは他のユーザーからは見えません。

共有範囲 意味
Private 作成した本人だけが利用できる
App そのアプリを使う人全員で共有する
All Apps (Global) すべてのアプリから利用できる

チームで共有したいときは、権限設定からAppやGlobalに変更し、 ロールごとに「読み取り(Read)」「書き込み(Write)」を割り当てます。

共有範囲を広げると多くの人に見えるようになりますが、 Write権限を安易に与えると、他の人が定義を書き換えてしまうこともあります。 共有時は権限を必要最小限にとどめるのが安全です。

5. まとめ

  • 「Save As」からサーチをレポートやダッシュボードパネルとして保存できる
  • レポートは「1つのサーチ」、ダッシュボードは「複数パネルの集合」
  • 可視化設定も一緒に保存され、開けば同じグラフが再現される
  • 共有はPrivate/App/Globalの範囲とロールごとの権限で管理する